ised議事録

11-1212. 設計研第6回:質疑応答

設計研第6回:質疑応答

藤本一男(作新学院大学):

 二点あります。村上さんのお話は縦の社会を横にするというものでした。個々の議論は大変に面白かったのですが、ついていけなかった点があります。まず一点目ですが、村上さんはEAの話を出されていたのですが、これは80年代の頃にSIS(戦略的情報システム)として散々議論されていたものだと思うんです。これからは横展開だ、異業種連携だと散々やっていた時期が80年代にあって、そして90年代になってやはりできていないじゃないか、という話がある。するとアメリカと日本の違いは、政策的なところにあるのか、それともものづくりの文化的なところにあるんでしょうか。たとえば自分の本業に対するこだわりが強すぎるといったものです。その辺りはいかがでしょうか。今日の議論は横割りにしてサービス主導の動きに持っていこうという話で、サービスを巡る個々の話は面白いのですが、村上さんご自身はこの点を政策的な問題としてどうお考えなのかを伺いたい。

 二点目はプラットフォームの議論です。村上さんのスライドでは、「企業でも、コミュニティでもない。社会的共通資本としてのプラットフォームの再構築。既存の企業社会の解体と再構築」と書かれている。このコミュニティはどこまでを指しているのでしょうか。たとえば生身の人間が生きていく地域社会のようなものは、このプラットフォームの中でどのような位置づけをされているのでしょうか。

村上:

村上敬亮
村上敬亮
 手短にお答えします。ソフトウェア開発論やシステムの開発論として、以前から横展開の議論があったのは事実です。しかし産業のデザインという議論となると、少なくとも80年代までは縦軸に資源を集中し、そこに人とモノと金を回そうという議論が圧倒的に優勢でした。社会設計の議論として横展開という議論はなかったわけですが、いまは時代的にそういう議論をする意義のあるフェイズに来ていると思います。ですので、かつてのソフトウェアの議論を社会設計にも応用する意義があると理解しています。

 二点目ですが、地域はひとつのプラットフォームを再構築するときのきっかけになりうると思います。ただ僕は抽象度の高い話をしているので、地域をきっかけにプラットフォームができる場合もあれば、はてなの近藤というブランドに乗りたいということでたまたまうまく回るプラットフォームもあれば、いろいろな可能性があります。少なくとも、いまの企業がこれまでの事業計画的なセンスで資源配分をしようとしても、さらに比較優位を持った産業モデルが出来上がりつつあるので、先がないよと僕は論じているだけなんです。その先にオープンソースを軸にした動きが広まるのか、地域を軸にした動きが広まるのか、もっとに宗教に近い動きが郵政になるのかはよく分かりません。しかし、トライアルする意味はあると思う。

鈴木:

 それでは今日はこれで終了します。非常にアグレッシブな議論が展開されて、盛り上がったと思います。最後に村上さんに大きな拍手をお願いします。


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