ised議事録

02-12設計研第2回:議事録

D2
(開催:2005年2月12日 国際大学GLOCOM / 議事録公開:2005年4月9日)

概要

 設計研第2回はオープンソースをめぐって議論が展開される。

 まず八田真行の講演では、メタライセンスとしてのオープンソースという法的状態が、バザール型開発と称されるソフトウェア開発のコラボレーションの論理を規定しているのではないかと論じる。そこではフォーク forkと呼ばれる現象を取り上げ、オープンソース型の組織運営が合理的・功利的に「優しい独裁」にならざるを得ない構造を見出す。

 さらに、こうしたオープンソースの構造を、八田はそれ以前のストールマンフリーソフトウェアのモデルと比較しながら、環境管理型権力として肯定的に捉える。また社会現象としてのオープンソースが持つ偶然性や再現可能性という留保を付けながらも、インプリケーションとしての環境管理型権力の正当性とその4つの条件を、多様性の確保や再定義の担保として提出する。

 共同討議第1部では、八田の結論と東浩紀の監視社会についての公準の同型性を確認した後、3名からの応答が続く。楠正憲はソフトウェア設計の議論が制度設計の議論に応用することの問題点について。鈴木健は、進化生物学的な解釈や、オープンソースの本質を「生産プロセスの可視化」とみなした議論。井庭崇は、パターン・ランゲージを参照しつつ、つくり方のつくり方が無限にメタ化するという特徴について、それぞれ展開される。

 第2部はまず村上敬亮オープンソース的な組織モデルを、既存の企業組織に組み込むというスキームについて口火を切る。続いて近藤淳也は「人文系オープンソース」としてはてなを捉える。そして鈴木謙介は、オープンソース社会学的コンテクストから捉えなおし、環境管理型権力における多様性のパラドクスや、社会設計者の調達や教育についての問いを提起する。



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