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第1回倫理研:共同討議第1部(1)で言及される。
東:
加野瀬さんとのプレ・ミーティングで話題になったのは、日本のネットの情報発信の仕方だと、まず2ちゃんねるでとある話題が盛り上がり、それを中堅的なblogが取り上げて、それをさらに大手blogが取り上げて……という段階を踏みつつ情報が拡散流布していくという、ネット世論の階層モデルのようなものがあるんじゃないかということでした。
(blogという言葉が日本に入ってくる以前から存在し、その形態も類似している/いた)「個人ニュースサイト?」と呼ばれる世界には、「親・子・孫」の三層構造が存在していることが知られている。
各個人ニュースサイトが、より多くのアクセス数やサイトの質(or差異化)を競い合うことで、こうしたマクロな階層構造が生まれている(子ニュースサイトは)。特に「孫ニュースサイト」は、「はてなアンテナなどに登録して、そこさえ更新チェックしていればネット上の旬の話題をキャッチアップするのに便利」というニーズから――人気が出れば出るほど、たくさんのネットユーザがそこを見ていることが再帰的に認識され、ますます旬のキャッチアップという目的に適うことになり――膨大なアクセス数を持つところも多い。
ニュースといってもさまざまなジャンルに分化しており、たとえば新製品・イベント・コンテンツ作品のレビューや、第1回倫理研:共同討議第1部(3)で鈴木謙介が「タブロイド的関心」と表現するように、イエロージャーナリスティックなゴシップであったり、思わずツッコミたくなるようなおバカニュースなどが選別対象となっている。
また米国でのネット調査でも、「トピックはしばしば、比較的知名度の低い複数のウェブログに表われたのちに、より知名度の高いサイトに登場する」という類似した構造が確認されており、ある程度普遍性のある構造と思われる。
上記の個人サイトにおける「世論形成モデル」は、倫理研第4回の加野瀬未友による講演のなかで、2ちゃんねるモデル/ブログモデルを対比させた「情報流通モデル」としてリファインされた。(関連キーワード:2ちゃんねるモデル、ブログモデル)
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ネット世論とは少し話題がずれるが、階層構造つながりとして次のような興味深い話もある。第1回倫理研:共同討議第1部(2)での加野瀬未友の以下の発言によれば、
これは余談ですが、最近ネット上でリンクを流し込む力を持っているなと実感したのは、個人ニュースサイトではなく、動画ファイルナビゲーターというアダルトサイト情報を紹介するサイトでした。ここはおまけ的に娯楽的なニューストピックスに毎日リンクをはっているんですが、ここに掲載されたときは1日で6万アクセスを超えました。いま、ここにリンクされてしまい沢山の人が訪れたことで、サーバーが止まってしまうところもあるくらいです。以前であればスラッシュドットジャパンにリンクされるとアクセスが跳ね上がる、といった話がありましたがいまやその比ではないですね。
とのこと。動画ファイルナビゲーターとはアダルトサイトが無料で提供するハイライト版のランキング紹介を行うポータルサイト。アダルト情報だけでなく、その日のおもしろ1行ニュース紹介を行っており、すなわち孫ニュース化している。
また『インターネットマガジン』2004年8月号(インプレス)での特集「アダルトサイトに学ぶウェブビジネス」によれば、近年のアダルトサイト・ビジネスはブロードバンドの普及以後、かつての「ダイヤルQ2」などを用いた違法まがいのものから変貌を遂げているという。
たとえば一般ユーザは、まず
などと段階的に誘導される、という3段のレイヤーが現在存在するという。
aやbは、cとアフィリエイト広告契約を結んでおり、どれだけのユーザを誘導できたかに応じてcは広告費を支払うというモデルになっている。cのレイヤーは巨大なアクセスを稼いでおり、インターネットマガジンではAlexaのデータ(http://www.alexa.com/site/ds/top_sites?ts_mode=lang&lang=ja)をもとに分析しているが、大手ポータルやプロバイダ、2ちゃんねるに匹敵するアクセスを稼ぐサイトも少なくないことがわかる。