法の完全実行

法の完全実行

倫理研委員の白田秀彰によるキーワード。

 また実際に法が実行される場面に視点を移してみますと、「法律というものがこうあるにしろ、でも実際の現実はこうだよね」という、法と現実の間の「ゆとり」の部分があったわけですよね。法律と現実の乖離、というのはどこの世界でもある話ですから、みなさんにも納得してもらえる話だと思うんです。ところが、いまコンピュータやネットワークだのが出てくることで、法の完全実行がだんだんできつつあるような新しい構造に移行しつつあると思うのです。つまり、それまでは見過ごされていたようなものが、なんとなく実行可能になってくる。「法には実際書いてあるのだから守らねばならない」という感覚の下に、アーキテクチャが変更していくなかで、法の圧迫感が高まっている。こうした流れのなかに、著作権法も含まれているんだと思うんですね。プライバシーもそうでしょう。いままであれば噂が漏れても所詮は近所で留まっていた話が、世界中にばら撒かれる危険が出てきている。