2ちゃんねるIPログ保存

2ちゃんねるIPログ保存

以下の2ちゃんねる管理人西村博之氏へのインタビュー記事が簡潔にまとまっている。引用すると、

 2ちゃんねるは、2003年1月7日から全書き込みについてIPアドレスの記録、保存を始めた。IPアドレスとは書き込みをした人のサーバに関する情報のことで、身元を追跡するために使われる。つまり、2ちゃんねるは匿名の掲示板ではなくなったのだ。

 2ちゃんねるの最大の特徴は、書き込みをした人の身元が特定されない匿名システムを採用している点にあった。匿名(「名無しさん」と呼ばれる)で投稿ができるほか、一部のスレッドを除いてIPアドレスを記録せず、個人の追跡が不可能な完全匿名の掲示板である点を売り文句にしていた。匿名であるがゆえに機密情報など様々な情報が集まり、現在は月間6億ページビューを超える巨大な掲示板へと成長している。しかし一方で、無責任な誹謗中傷や犯罪予告などの書き込みも多く、問題となっていたことも事実だ。

 2ちゃんねるがIPログの保存を始めたのは、東京都内の動物病院との裁判に敗訴したことが大きく影響している。同病院は2ちゃんねるの書き込みによって名誉を傷つけられたとして、管理人である西村博之氏に損害賠償を求めた訴訟を起こした。東京地方裁判所は2002年6月、西村氏が書き込みをした個人を特定できないようにし、被害の発生を予防する措置を怠ったとして、その責任を認め400万円の賠償を命じた。西村氏は東京高等裁判所に控訴したが、高裁は西村氏の訴えを棄却。西村氏は現在、最高裁判所に上告している。

 この動物病院裁判敗訴について、社会学者の宮台真司氏は、ユーザも管理者も追跡性を持たない『完全匿名制』から、IPログを記録し、裁判所命令等に応じてユーザーを追尾可能にしておく『疑似匿名制』への移行は避けられないと指摘し、事実その方向転換を行ったといえる。

 またCNETでのインタビューにひろゆき氏が答えているように、IPログ保存をしたところ逆に犯罪予告が増えてしまったり、また常時接続の普及*1によって即時反射的な書き込みが増え、全体的な質が低下するといった予期せぬ変化が、この時期の2ちゃんねるにもたらされたといえる。

 また2ちゃんねるはIPアドレスのログを保存するためのコスト負担などを補う関係から、この時期からオンライン広告以外にも、多角的なビジネス展開を行うようになる。

*1:註:これはケータイからアクセスするユーザが増えることでも同様のことが言われた。